発行日 2010年2月1日
Published Date 2010/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2010107233
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42歳男。下腹部痛を主訴とした。下腹部に圧痛、反跳痛および筋性防御を認め、右鼠径部に圧痛を伴う手拳大の腫瘤を認めた。血液検査では著明な炎症反応とアルブミン値低値を認め、腹部CTでは右中下腹部より発し骨盤内にいたる渦巻状の層状構造をもつ軟部影と右鼠径ヘルニアを認めた。右鼠径ヘルニア嵌頓および続発性大網捻転症の診断で緊急手術により開腹すると、大網が右側横行結腸付着部近傍を起点に4回転捻転し、捻転部より末梢側の大網は虚血壊死に陥っていた。壊死部の大網を切除しiliopubic tract repair法によるヘルニア根治術を施行し、術後経過は良好で第10病日に退院した。
©Nankodo Co., Ltd., 2010