臨床経験
絞扼性イレウスの術前CT所見に関する検討
柴崎 晋
1
,
戸井 博史
,
津田 一郎
,
長谷 泰司
,
中村 貴久
1恵み野病院 外科
キーワード:
壊死
,
梗塞
,
骨盤
,
鑑別診断
,
浮腫
,
腸
,
腸間膜
,
腸閉塞
,
腹水
,
後向き研究
,
腹部CT
Keyword:
Ascitic Fluid
,
Diagnosis, Differential
,
Edema
,
Intestinal Obstruction
,
Intestines
,
Infarction
,
Mesentery
,
Necrosis
,
Pelvis
,
Retrospective Studies
pp.899-903
発行日 2014年8月1日
Published Date 2014/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2014298169
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緊急開腹手術を行った絞扼性イレウス24例の術前CT所見をレトロスペクティブに検討した。腸管切除を要した腸管壊死群13例と必要のなかった非壊死群11例に分けて比較した結果、腹水は全体の75%、腸間膜浮腫所見は96%にみられ、壊死群では非壊死群より腹水を伴う頻度と腹水CT値が有意に高かったが、whirl sign、造影不良域、closed loop signに有意差はなかった。また、単純CTのみでも腸間膜浮腫、腹水、closed loopを診断することができ、これら三つの所見のうち二つ以上を認め、絞扼性イレウスと診断された症例は87.5%であった。しかし、13%は造影CTの併用で診断されており、絞扼あるいは壊死の有無はあくまでも総合的に判断し、絞扼あるいは壊死が予想される場合には迅速に手術に移行することが重要であると思われた。
©Nankodo Co., Ltd., 2014