特集 膵疾患に対する内視鏡診療のすべて
膵疾患に対する内視鏡治療 膵管消化管吻合部狭窄に対するバルーン内視鏡を用いた治療
木暮 宏史
1
,
佐藤 達也
,
白田 龍之介
,
石垣 和祥
,
齋藤 圭
,
齋藤 友隆
,
濱田 毅
,
高原 楠昊
,
水野 卓
,
中井 陽介
1東京大学 医学部消化器内科
キーワード:
膵管
,
膵空腸吻合術
,
膵臓疾患
,
膵頭十二指腸切除
,
ステント
,
内視鏡的逆行性胆道膵管造影
,
バルーン拡張法
,
吻合部狭窄
Keyword:
Stents
,
Cholangiopancreatography, Endoscopic Retrograde
,
Pancreaticoduodenectomy
,
Pancreatic Diseases
,
Pancreatic Ducts
,
Pancreaticojejunostomy
pp.1445-1452
発行日 2021年9月25日
Published Date 2021/9/25
DOI https://doi.org/10.24479/J02312.2021368620
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膵管空腸吻合部狭窄は膵頭十二指腸切除術後の晩期偶発症であり、2~11%の頻度で生じる。多くは症状なく経過するが、腹背部痛、再発性膵炎、膵外分泌機能不全を発症することがある。バルーン内視鏡やEUSを用いることで、膵管空腸吻合部狭窄に対しても低侵襲かつ効果的な治療が可能である。バルーン内視鏡を用いた治療では、まず吻合部狭窄のバルーン拡張を行う。バルーンのくびれが消失しなければ、膵管径に応じて5~7Frのプラスチックステントを留置する。3~4ヵ月ごとにバルーン拡張とステント交換を繰り返し、6~12ヵ月でステント抜去を図る。膵管空腸吻合部の同定が困難であることに起因してバルーン内視鏡単独での治療成功率は70%と満足いくものではないが、EUSを用いた膵管ドレナージと両方の手技を相補的に行うことで、最終的に高い治療成功率が得られる。
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