発行日 2006年4月1日
Published Date 2006/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2006157652
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17歳男.患者はサッカー練習中,他者と衝突して受傷した.腹部CTでは膵体部に低吸収域を認め,体部での主膵管損傷が疑われ,尾側の膵は腫大していた.経過中MRCPを2度施行したが,主膵管の情報は得られなかった.臨床症状が安定しており,絶食,蛋白分解酵素阻害薬使用による保存的治療を選択し,他臓器の合併損傷がないことから,第24病日目に内視鏡的逆行性膵管造影(ERP)を施行し,膵損傷部で膵管の狭窄と造影剤の漏出を認めた.主膵管損傷を伴う外傷性膵損傷と診断し,内視鏡的経鼻膵管ドレナージチューブを留置した.第36病日目に膵管ステントに変更し,以後,経過良好で,第49病日目に退院となった.尚,5ヵ月後のERPでは主膵管の狭窄と尾側膵管の拡張はあったが,造影剤の流入は良好であった.更に1年後のCTでは膵尾側の浮腫は軽減し,明らかな主膵管の拡張は認められなかった
©Nankodo Co., Ltd., 2006