発行日 2014年3月1日
Published Date 2014/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2014126095
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72歳男。5年前より痔瘻の手術を受けたが難治性で増悪・寛解を繰り返した。また、難治性の口内炎や外陰部の潰瘍が出現した。大腸内視鏡検査で直腸の多発潰瘍を指摘された。生検組織の病理検査で腸管Behcet病が疑われた。ステロイドの内服を開始した。発熱、腹痛、下痢が増悪したため入院し、カプセル小腸内視鏡および下部消化管内視鏡で回盲部および結腸全体に多発する潰瘍を診断され、ステロイドによるパルス療法を開始した。約2ヵ月後に急激な下腹部痛が出現した。穿孔性腹膜炎と診断し手術を施行した。開腹時、腹部全体に混濁した腹水を認めた。回腸末端より約30cmの部位と約50cmの部位2ヶ所に穿孔を認めた。回腸末端より約60cmの部位までは腸管壁の肥厚を認めたため、同部位までの回盲部切除、洗浄ドレナージ術を施行した。病理組織学的にはBehcet病に矛盾しない所見であった。術後第12病日に原病加療のため内科に転科した。
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