カプセル内視鏡の現況と最新動向
カプセル内視鏡の意義と役割 炎症性腸疾患(クローン病を除く)の小腸病変の検討
岡本 康治
1
,
森山 智彦
,
原田 英
,
河内 修司
,
蔵原 晃一
,
江崎 幹宏
1九州大学 大学院病態機能内科学
キーワード:
Aspirin
,
Behcet症候群
,
回腸疾患
,
空腸疾患
,
鑑別診断
,
非ステロイド系抗炎症剤
,
カプセル内視鏡法
,
小腸潰瘍
,
小腸内視鏡法
,
びらん
Keyword:
Aspirin
,
Anti-Inflammatory Agents, Non-Steroidal
,
Behcet Syndrome
,
Diagnosis, Differential
,
Ileal Diseases
,
Jejunal Diseases
,
Capsule Endoscopy
pp.1615-1619
発行日 2015年11月20日
Published Date 2015/11/20
DOI https://doi.org/10.19020/J01937.2016118515
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腸管ベーチェット病(BD)とNSAIDs起因性小腸粘膜傷害のカプセル内視鏡(CE)所見を比較した.いずれも,空腸および回腸に粘膜病変が多発していたが,腸管BDでは空腸病変は少なく,回腸を中心に病変が出現していた.潰瘍の形態に着目すると,いずれの疾患でも不整形潰瘍を呈する例が多く,腸管BDに特徴的な類円形の打ち抜き様潰瘍を認めたのは3例で出現率は高くなかった.なお,CE施行時に消化器症状を伴わなかった1例で後に小腸穿孔をきたし腸管切除術を要した.腸管BDの鑑別疾患としてNSAIDs起因性小腸粘膜傷害が挙げられるが,病変の分布や形態に着目すれば両疾患はある程度鑑別しうると思われた.また,腸管BDでは無症状でも小腸病変を伴う場合が多く,CEによる小腸病変の評価が望ましいと思われた.
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