発行日 2003年3月1日
Published Date 2003/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2003201007
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
69歳男.下血を主訴とした.下部消化管内視鏡にて回盲弁のすぐ口側の回腸末端部に2型腫瘍を認め,中心潰瘍部には凝血の付着を認めた.小腸造影にて上行結腸に多数の憩室と回腸末端部に陰影欠損像を認め,腹部造影CTにて右下腹部に内部にガスを伴う約4cm大の腫瘤を認めた.以上より,回腸癌,胆石症と診断し,回盲部切除術+リンパ節郭清を施行した.病理組織学的には高分化型腺癌で,筋層を超えて漿膜下層まで浸潤していたが,リンパ節転移は認めなかった.憩室はすべて仮性憩室で,潰瘍や破綻血管は認めなかった.術後経過良好にて退院し,術後18ヵ月現在,再発の徴候や下血は認めていない
©Nankodo Co., Ltd., 2003