発行日 2013年12月1日
Published Date 2013/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2014042103
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症例は50歳代男性で、右上腹部痛で近医にて巨大肝腫瘍を指摘され紹介入院した。右上腹部に軽度圧痛を認め、検査で肝・胆道系酵素の上昇を認めたが、肝炎ウイルスは陰性、腫瘍マーカーも正常範囲内であった。CTで肝S8/4を中心に最大径15cmの造影効果のない内部不均一な腫瘍を認め、下大静脈から右房に至る腫瘍栓を伴う突出部分を認めた。MRIではT1強調で不均一な低信号、T2強調で高信号を示し、腫瘍内出血、壊死、粘液を伴っていることが示唆された。肝嚢胞腺癌疑いで開腹手術を行った。肝S8/4を占拠する巨大腫瘍は一部横隔膜へ浸潤しており、横隔膜合併切除を伴う肝右3区域切除、胆管切除術を行い、心嚢を切開して腫瘍栓を摘出し、外側区域の胆管を1穴で胆管空腸吻合を行った。病理診断は肝未分化肉腫であった。術後2ヵ月のCTで腹膜播種、肝切離面局所再発、右房内腫瘍塞栓再発を認め、放射線照射、dacarbazine 2コースを行うも術後7ヵ月に死亡した。
©Nankodo Co., Ltd., 2013