発行日 2016年7月20日
Published Date 2016/7/20
DOI https://doi.org/10.19020/J01937.2016392524
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症例は67歳男性で、糖尿病、高血圧、高脂血症、高尿酸血症に対して内服治療を継続した。定期受診日に発熱、食思不振、体重減少の訴えがあり、血液検査にて炎症反応高値、胆道系の酵素異常が判明した。腹部造影CTを施行し、肝後区域に低吸収域を呈する腫瘤を認めた。発熱、白血球増多、CRP高値、PCT陽性、CTで認めた肝内の巨大な低吸収域腫瘤像から肝膿瘍の可能性と肺底部の結節性病変の存在から原発性あるいは転移性肝腫瘍の可能性が考えられた。TAZ/PIPCを開始継続後も発熱、白血球増多、CRP高値は改善されず、抗菌薬をMEPMに変更したが、発熱炎症所見は改善しなかった。腫瘤中心部より経皮的生検を行った。白血球増多が際立っていたことから、G-CSF産生腫瘍の可能性を疑い、G-CSFを測定したところ著明に上昇していることが判明した。肝原発のG-CSF産生未分化癌と確定診断した。対症的に経過観察していたが、腫瘍の進行は極めて速く、最終的には多臓器不全で死亡した。
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