発行日 2013年12月1日
Published Date 2013/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2014042104
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症例は51歳男性で、36歳時に胃癌で胃全摘術の既往があった。3年前の検診で胆石症を指摘されるも放置し、今回激しい上腹部痛で受診した。右季肋部に著明な圧痛、筋性防御と反跳痛を認め、検査で白血球数増多、軽度貧血、肝・胆道系酵素の著明上昇を認めた。超音波で胆嚢の著明腫大と内腔に2cm大の結石数個、胆嚢内血腫を認めた。CTでは胆嚢は腫大して壁肥厚し、内部に胆泥様の低濃度領域中に肝外胆管内に連続する高濃度構造物を認めた。MRIでは胆嚢内、肝外胆管内にT1強調で高信号、T2強調でやや低信号の構造物と結石数個を認めた。急性出血性胆嚢炎、胆石症、肝外胆管内血腫の診断で緊急開腹手術を行った。摘出胆嚢の粘膜は浮腫性で2ヶ所の粘膜欠損部分を認め、胆嚢内部に凝血塊と黒色結石4個を認めた。病理所見で粘膜欠損部に好中球の浸潤した潰瘍形成を認め、潰瘍底に径の大きな血管を認めた。術後経過は良好で7日目に退院し、以後結石の再発は認めていない。
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