発行日 2016年3月20日
Published Date 2016/3/20
DOI https://doi.org/10.19020/J01937.2016250260
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症例は58歳男性で、慢性腎不全で他院にて維持透析中、CRP高値の持続で腹部造影CTを行い、肝後区域に腫瘤を認めて紹介入院した。腹部造影CTで両側腎実質の萎縮と石灰化を伴う多発嚢胞を認め、肝後区域に石灰化を伴う腫瘤性病変があり、同病変の外側から下部にかけて一部辺縁不整な腫瘤を認めた。穿刺排液で膿汁成分は吸引されず、エコーガイド下に腫瘤中心部の経皮的生検で白色調充実性組織が得られたが、壊死細胞からなる壊死組織であった。免疫染色でKi-16、p53とも陽性を呈した。1ヵ月後の造影CTで腫瘤の増大を認め、CTガイド下での腫瘍辺縁の生検で、コラーゲン線維の増生と混在する特異的構造のない腫瘍細胞を認めた。免疫染色でSMAが一部の細胞で陽性を示し、成人発症の肝原発未分化肉腫と診断し、切除の方針であったが、腫瘍のさらなる増大、肝内転移巣やリンパ節転移が出現し、低アルブミン血症の進行など全身状態の悪化で、初診4ヵ月後に永眠された。
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