発行日 2016年2月1日
Published Date 2016/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2016139119
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63歳男。発熱、黄疸の精査目的で当院紹介となった。腹部造影CTにて肝S4に28mm大の病変が指摘され、3ヵ月後には病変が61mmへ増大したため、手術目的に入院となった。画像所見および臨床経過から、肝血管肉腫と診断し、肝左葉切除術、胆嚢摘出術を施行した。術中に肝S5表面の白色結節を新たに確認したため部分切除した。術前MRIでは肝S7病変も指摘されたが、術中エコー・視触診では同定できず、経過観察とした。病理組織学的に肝血管肉腫と診断され、術後2ヵ月に残肝再発を認め、肝S7病変が増大したものと考えられた。同病変に対しcisplatinを用いた経カテーテル肝動脈化学塞栓術を施行し、術後はweekly paclitaxel療法を導入したが、多発性肝転移が出現した。テガフール・ウラシル内服療法へ変更するも、肝不全が進行し術後10ヵ月で死亡した。剖検では微小肝内胆管癌を合併した肝血管肉腫が確認された。
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