発行日 2006年6月1日
Published Date 2006/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2006203159
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37歳女.慢性腎不全のため約11年前から血液透析を行っており,3年前頃から自覚していた左乳腺腫瘤からの出血を認めた.左乳房CD領域に,皮膚潰瘍を伴う,易出血性の11.5×10.0cmの硬い腫瘍を認めた.針生検所見は乳頭腺管癌,エストロゲン受容体陽性であった.明らかな遠隔転移はなく,T4bN0M0 Stage IIIbと診断した.約4ヵ月間の術前内分泌療法(LH-RH agonist+tamoxifen)により腫瘍は5.5×5.0cmに縮小し,部分緩解となった.出血制御を目的に透析の内シャントを閉鎖し,閉鎖1週間後に胸筋温存乳房切除術を行った.術後は合併症なく順調に経過し,透析は術後第2病日に行った.内シャントの閉鎖が出血制御に有効であったと思われた
©Nankodo Co., Ltd., 2006