発行日 2013年6月1日
Published Date 2013/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2013325749
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72歳女。上腹部痛を主訴とし、各種画像所見より胆管癌を否定できないことから、硬膜外麻酔併用腰椎麻酔下に経回結腸静脈的に門脈塞栓術を施行した。術後に残肝の肥大を認め予定残肝率40%となり、術後20日に肝右葉切除、尾状葉切除術および胆管切除術を施行し、病理診断は硬化性胆管炎であった。術後7日に創感染を認めたため創を開放し、創部の培養検査で術前の胆汁培養と同様のEnterococcus faecalisが検出された。術後19日に右上肢の痺れ、翌日に四肢の脱力感が出現し、頭部CTで異常を認めなかったが、術後21日に神経内科医にコンサルトした。神経学的に深部腱反射の消失を認め、神経伝導速度検査では全施行神経での遠位潜時の延長と脛骨神経でのF波の消失を認め、臨床経過と併せてGuillain-Barre症候群の診断された。発症後4日から免疫グロブリン大量静注療法を施行し、発症後11日まで症状は増悪したが、その後は徐々に改善し、発症後4ヵ月には日常生活がほぼ自立するところまで回復した。
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