発行日 2013年5月1日
Published Date 2013/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2013255237
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症例は80歳女性で、近医で肝腫瘤を指摘され当院紹介入院となった。血液検査でAFPおよびPIVKA-IIの上昇を認め、CTで肝S8とS5に肝細胞癌(HCC)patternの腫瘤を認め、MRIでは共にT1強調画像で低信号、T2強調画像は高信号で、dynamic studyで均一に濃染される腫瘍であることを認め、HCCの術前診断で肝前区域切除を施行した。病理結果としてS5は中分化のHCC、S8は中~低分化のHCCの成分を主体とし一部線維肉腫を含む肉腫成分の混在を認める腫瘤で、肝癌肉腫の診断であった。術後15ヵ月目のMRIで肝S6、S3、S4に占拠性病変を認め、肝癌肉腫の再発の疑いであった。更にAFP、PIVKA-IIの再上昇を認め、生検ではHCCを示唆する所見で、ラジオ波焼灼術を施行した。術後24ヵ月でAFP、PIVKA-IIも正常化し外来通院中である。
©Nankodo Co., Ltd., 2013