発行日 2010年12月1日
Published Date 2010/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2011084268
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70歳女。右季肋下に12cmの可動性不良で弾性硬の巨大腫瘤を触知し、軽度の貧血と血小板増加、腫瘍マーカーCA125のみ高値を認めた。超音波で多量の腹水と右上腹部中心に肝との境界不明瞭で内部不均一な等エコーの巨大腫瘤、造影CTで右Morrison窩~下腹部中心に正中を越えて占居する最大径12cmの多房性嚢胞性腫瘤が胆嚢を取り巻き、胆嚢壁や肝実質との境界は不明瞭であった。急速な腹囲の増大、著明な下腿浮腫により開復手術を施行した。約3000mlの漿液性腹水を認め細胞診Class Vで、QOL改善のため腫瘍切除とし、肝S4~6が一塊となった腫瘍を胆嚢と大網と切除しリンパ節郭清はD1とした。病理所見は胆嚢から肝実質まで連続した充実性腫瘍で、胆嚢内腔より発生して胆嚢壁を貫き肝S4~6に直接浸潤し静脈およびリンパ管浸潤も認め、免疫染色は腺癌と横紋筋肉腫で構成され移行像はなく真性癌肉腫と診断し総合的根治度はfCur Cであった。退院後徐々に腹水は増量し全身状態も悪化し腹膜再発術後2ヵ月に死亡した。
©Nankodo Co., Ltd., 2010