特集 腹部の最新画像情報2016
症例
多彩な肉腫成分を呈した卵巣癌肉腫の1例
小野 由美香
1
,
坂本 拓海
,
吉尾 浩太郎
,
井上 大作
,
塩出 壮
,
赤木 史郎
,
本郷 淳司
,
米澤 優
,
中村 聡子
1香川県立中央病院 放射線科
キーワード:
癌肉腫
,
MRI
,
腫瘍播種
,
X線CT
,
腹膜腫瘍
,
卵巣腫瘍
,
致死的転帰
Keyword:
Carcinosarcoma
,
Magnetic Resonance Imaging
,
Ovarian Neoplasms
,
Peritoneal Neoplasms
,
Neoplasm Seeding
,
Tomography, X-Ray Computed
,
Fatal Outcome
pp.839-843
発行日 2016年6月10日
Published Date 2016/6/10
DOI https://doi.org/10.18888/J01565.2016319483
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70歳代。腹部膨満を主訴に前医を受診し、両側卵巣腫瘍・腹膜播種(漿液性腺癌)と診断された。造影CTでは両側卵巣に充実成分と多房性嚢胞が混成した腫瘤と、骨盤右側の腹膜播種を認めた。充実成分はMRI T2強調像で不均一な高信号を示し、T1強調像では低信号を示したが、線状の高信号を呈する小領域を認めた。また、同部位は脂肪抑制T1強調像で信号低下を呈し、両側卵巣腫瘍の充実成分と播種病変は拡散強調像で高信号を示した。患者の希望で両側付属器と腹膜播種病変の切除を行った。病理所見より右卵巣は漿液性腺癌に加えて未分化肉腫、脂肪肉腫、横紋筋肉腫、骨肉腫、軟骨肉腫と多彩な肉腫成分を伴う卵巣癌肉腫と診断された。漿液性腺癌と軟骨肉腫の成分を認める左卵巣は右卵巣からの転移と考えられた。
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