発行日 2016年11月1日
Published Date 2016/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2017078321
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71歳男性。呼吸困難感を認め近医を受診、感冒薬を処方されるも胸部の違和感、呼吸困難の増悪を来し救急外来受診となった。胸部単純X線像では右上中肺野を占拠する腫瘤影を認めたほか、低酸素血症も認められ、入院後に気管内挿管を施行された。CT所見では右肺内血腫、血胸に加え、縦隔左方偏位が認められた。入院翌日に右上葉腫瘍、胸腔内穿破、胸腔内血腫の診断で緊急に右上葉切除+血腫除去が施行された。その結果、免疫染色を含む病理組織検査で肺原発癌肉腫と診断された。患者は術後3ヵ月頃から胸痛と呼吸困難が再び出現し再入院となり、腫瘍再発による呼吸不全で術後4ヵ月目に死亡となった。以上、本症例は血胸により発症した極めて稀な肺癌肉腫であった。
©Nankodo Co., Ltd., 2016