発行日 2011年8月1日
Published Date 2011/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2011338688
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62歳女性。検診の腹部超音波検査にて肝腫瘍を認め、追加された造影CTにて転移性肝腫瘍の指摘を受け、精査加療目的で著者らの施設へ紹介となった。血液生化学検査では異常所見はみられなかったものの、腹部CTや超音波、MRIでは悪性腫瘍を否定できず、胆石の手術希望もあったことから、胆嚢摘出術とともに肝腫瘍部分切除術が施行された。その結果、病理組織学的に肝pseudolymphomaで、術後11日目に軽快退院となった。尚、本症例の腹部MRI所見を検討したところ、脂肪抑制T1強調画像において腫瘍は単純では低信号、EOB・プリモビストを用いた造影の肝細胞相では集積が著明に低下していた。このことから、腫瘍内には肝細胞が存在しないことが示唆された。また拡散強調画像では著明な高信号を呈しており、細胞密度が高い腫瘍または膿瘍が疑われた。
©Nankodo Co., Ltd., 2011