必読イレウスの診断から治療まで
機械的イレウス 複雑性または絞扼性イレウス 軸捻転症 S状結腸軸捻転を中心に
北條 荘三
1
,
長田 拓哉
,
奥村 知之
,
吉田 徹
,
塚田 一博
1富山大学 消化器・腫瘍・総合外科
キーワード:
S状結腸鏡法
,
S状結腸疾患
,
結腸切除
,
腹部X線診断
,
緊急手術
,
腸捻転
,
腹部CT
Keyword:
Colectomy
,
Radiography, Abdominal
,
Sigmoid Diseases
,
Sigmoidoscopy
,
Intestinal Volvulus
pp.260-264
発行日 2012年3月1日
Published Date 2012/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2012149343
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軸捻転症は絞扼性イレウスの一つと分類され、日常診療で遭遇する機会が多いのはS状結腸軸捻転である。S状結腸軸捻転は、腹痛や腹部膨満の症状で発症し、腹部単純X線像で80%以上は診断可能であるが、捻転による腸管壊死を伴う例を認めるため、壊死の有無の的確な診断と外科的処置を含めた緊急の対応が必要とされる。腸管壊死や腹膜炎を認める例では、緊急手術の適応である。腸管壊死が否定される場合は、内視鏡的整復術が第一選択とされ、その整復率は70%程度である。しかしながら、内視鏡的整復成功例の再発率も高いため、全身状態が許せば待機的に鏡視下を含めたS状結腸切除術など、外科的治療が推奨される。また腸管壊死を認める場合は、内視鏡的整復時また外科的治療時においても、捻転の整復はエンドトキシンショックを誘発する可能性があるため避けるべきである。
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