発行日 2013年4月1日
Published Date 2013/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2013197263
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81歳女。腹痛、下痢を主訴とした。他院で整腸薬を処方されるも改善なく、血液検査ではWBCとCRPの上昇を認めた。大腸内視鏡では上行結腸から横行結腸中央にかけて青色粘膜変化を示し、浮腫・潰瘍形成が著明であり、生検では粘膜下層の血管周囲の硝子化を認めた。また、腹部造影CTでは上行結腸を中心とする全結腸に、粘膜下層の著明な浮腫性変化と上行結腸血管壁の石灰化を認め、特発性腸間膜静脈硬化症(IMP)の診断で手術を行った。病理組織像では静脈系脈管の部分的な石灰化を伴う硬化狭窄が、周囲の線維性変化ともに粘膜固有層から漿膜にかけて広範囲に認められ、病理組織学的にもIMPと診断された。術後経過は良好で、現在も無再発である。
©Nankodo Co., Ltd., 2013