発行日 2010年10月1日
Published Date 2010/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2011002907
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56歳女性。患者は右卵巣嚢腫に対する右付属器切除術を受けるも、術後の定期画像診断にて骨盤腔内の嚢胞病変が再度出現し、精査目的で入院となった。所見では腫瘍マーカーは正常範囲内であったが、腹部超音波にて膀胱近くに境界明瞭で内部に低エコーを示す腫瘤が認められた。また、MRIでは右付属器領域に8.0×3.0×2.8cmの2房性嚢胞性腫瘤がみられ、T2強調像にて高信号、拡散強調像にて腫瘤内腔の背側に充実性部分が認められた。一方、消化器症状はみられなかったことから、本症例は右卵巣嚢腫の再発または右卵管嚢腫と診断され、婦人科にて腹腔鏡下手術が開始された。その結果、腹腔鏡下に骨盤腔を観察したところ、虫垂粘液嚢腫が判明し、以降の手術は外科医が行うこととなった。手術所見により虫垂根部は正常で虫垂切除術が施行されたが、病理組織学的に虫垂粘液嚢胞腺腫であった。尚、経過は良好で、術後7ヵ月現在、再発はみられていない。
©Nankodo Co., Ltd., 2010