発行日 2013年2月1日
Published Date 2013/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2013120696
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75歳男。血便で受診した。下部消化管内視鏡検査で、上行結腸に長径約3cmの隆起性病変を認め、精査加療目的で入院した。IL-2受容体は軽度の上昇を認めた。注腸造影所見では、Bauhin弁の対側に隆起性病変を認めた。びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫(DLBCL)と診断した。1ヵ月後の下部消化管内視鏡所見では、Bauhin弁対側の隆起性病変は消失し、潰瘍瘢痕を残すのみとなっていた。腹腔鏡補助下回盲部切除術を施行した。術後経過観察をしていたが、腹部CT検査で、右副腎の腫大を認めた。腫瘍は増大傾向を示し、後腹膜鏡下右副腎摘出術を施行した。術後はR-THP-COPによる化学療法を3クール施行した。再発術後2年5ヵ月経過した現在、再発は認めていない。切除標本病理組織学的所見は、DLBCLの細胞として矛盾せず、結腸のリンパ腫が副腎に転移再発したものと診断した。
©Nankodo Co., Ltd., 2013