発行日 2013年2月1日
Published Date 2013/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2013120697
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特発性穿孔により、後腹膜気腫・後腹膜膿瘍を形成した2例を経験した。症例1(78歳女)。下腹部痛と下血が出現し、虚血性腸炎の疑いで入院した。第3病日に腹部骨盤部造影CT検査を施行した。直腸近傍に膿瘍を疑う腸管外気腫像と後腹膜への気腫像の進展を認め、直腸穿孔とそれに伴う後腹膜気腫・後腹膜膿瘍と診断し、緊急手術を行った。穿孔部を含めた直腸切除術および人工肛門造設術、洗浄ドレナージ術を施行した。術後33日で退院した。現在も健在である。症例2(63歳女)。腹痛、嘔吐が出現し、水様性下痢も伴うようになった。急性胃腸炎の診断で入院した。腹部骨盤部造影CT検査を施行し、S状結腸の背側に膿瘍形成を疑う腸管外気腫像、左腎臓周囲に気腫像を認めた。S状結腸穿孔に伴う後腹膜気腫および後腹膜膿瘍と診断し、緊急手術となった。洗浄ドレナージ術を施行し、S状結腸穿孔部は切除した。術後14日で退院し、現在も健在である。
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