発行日 2013年2月1日
Published Date 2013/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2013120692
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60歳男。検診目的に施行した上部消化管内視鏡検査で、胃角から幽門前庭部に3型病変を発見された。腫瘍マーカーを含め、血液検査で特記すべき異常を認めなかった。上部内視鏡所では、幽門前庭部小彎後壁に、約30mm大の一部境界不明瞭な周堤を伴う3型病変を認めた。生検の結果、低分化腺癌と診断した。腹部CT所見では、胃前庭部後壁に、中央に不整な陥凹を伴う隆起性病変を認めた。明らかな壁外浸潤所見は認めなかった。リンパ節転移、遠隔転移を認めなかった。腹膜播種や肝転移を認めず、胃幽門側胃切除術2群リンパ節郭清を行った。切除標本肉眼所見で、胃大細胞神経内分泌癌と診断した。術後18日目に退院し、術後1ヵ月より術後補助化学療法としてS-1内服を1年間施行した。術後1年8ヵ月現在、無再発生存中である。
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