発行日 2012年10月1日
Published Date 2012/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2012371427
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症例1は61歳男性で、心窩部痛で受診し上部消化管内視鏡検査で胃癌を指摘された。血液生化学検査は異常なく腫瘍マーカーはCEA、CA19-9共に正常範囲であった。上部消化管X線透視で胃体上部後壁に粘膜集中を伴う陥凹性病変を2ヶ所認め、上部消化管内視鏡で胃体上部小彎後壁にIIc病変を認め、生検はグループ5、腺癌であった。その口側後壁に潰瘍瘢痕が認められたが十二指腸は異常なかった。胃癌の診断で胃全摘術、Roux-en-Y再建術を行い、術中に十二指腸球部前壁に5mm大、硬い腫瘤を触知、十二指腸粘膜下腫瘍を疑い、同部を切除した。切除標本で胃体上部小彎に2ヶ所、潰瘍性病変を認め、十二指腸球部に粘膜下腫瘍が認められた。症例2は68歳男性で、心窩部痛、胸やけ、タール便を生じ、上部消化管内視鏡検査で胃癌を指摘された。腹部は平坦・軟で血液生化学検査は異常なく腫瘍マーカーはCEA、CA19-9共に正常範囲であった。上部消化管X線透視で胃体中部小彎に辺縁不整の潰瘍性病変を認め、上部消化管内視鏡で胃体中部小彎に2型潰瘍性病変を認め、生検でグループ5、腺癌を認め、胃癌の診断で胃全摘術、Roux-en-Y再建術を行った。切除標本で胃体中部小彎に2cm大の2型病変を認め、十二指腸球部に粘膜下腫瘍が認められた。
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