発行日 2013年2月1日
Published Date 2013/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2013120691
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
51歳女。20歳代、授乳中に子供に噛まれて乳頭基部頭側半分を損傷した。44歳時、右乳輪部の炎症に対して切開・排膿処置を受けた。右乳輪頭側の腫瘤を自覚した。乳腺超音波所見では、腫瘤周囲の皮膚は肥厚し、腫瘤は皮膚との連続性を認めた。身体所見ならびに画像所見から、なんらかの腫瘤に炎症が加わったものと判断し、局所麻酔下、腫瘤直上の皮膚に小切開を加えたところ、多量の膿とともに粥状の内容物が排出された。感染性epidermal cystである可能性が高いと判断し、可及的に内容物を掻爬し、経口抗生物質を投与した。病理組織学的所見では、切開時に排出された内容物は、多量の層状の角化物質でありepidermal cystの内容物として矛盾しなかった。数回の外来処置で炎症は消退し、腫瘤も消失し、現在外来で経過観察中である。
©Nankodo Co., Ltd., 2013