発行日 2013年2月1日
Published Date 2013/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2013120693
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59歳男。人間ドックの胃透視で異常を指摘された。胃内視鏡所見では、胃角から胃体下部小彎後壁に3型腫瘍を認めた。また、腫瘍周囲から胃体上部に広がる巨大皺襞を認めた。生検で3型腫瘍に低分化型腺癌を認めたが、巨大皺襞部はGroup 1であった。PET-CTを施行した。FDGの集積は3型腫瘍に限局し、巨大皺襞部には認めなかった。その他の部位に異常集積は認めなかった。胃癌の診断で開腹術を施行した。胃亜全摘術(D2)を施行し、口側切離面断端を迅速組織診に提出した。断端粘膜下層に嚢胞状の粘膜下異所腺を多数認め、びまん性胃粘膜下異所腺(DCM)を伴う胃癌と診断した。切除断端に癌の浸潤は認めなかったが、病態を考慮し追加胃全摘術を施行した。病理組織学的所見では、3型腫瘍は低分化型腺癌で、DCMと癌との明らかな連続性は指摘できなかった。術後経過は良好で、再発徴候は認めていない。
©Nankodo Co., Ltd., 2013