外科救急-実際の手順を追う
食道・胃・腸 非閉塞性腸管虚血症
赤石 敏
1
,
佐藤 武揚
,
久志本 成樹
1東北大学高度救命救急センター
キーワード:
X線CT
,
腸間膜
,
輸液療法
,
小腸切除
,
非閉塞性腸間膜虚血
,
腸吻合術
Keyword:
Mesentery
,
Tomography, X-Ray Computed
,
Mesenteric Ischemia
pp.355-360
発行日 2012年4月1日
Published Date 2012/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2012181552
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
血栓を伴わずに、脱水や心不全に起因する腸間膜動脈の血管攣縮で腸管壊死を生じる非閉塞性腸管虚血症(non-occulusive mesenteric ischemia:NOMI)が注目されている。脱水の改善や心不全の治療が基本となり、粘膜壊死の段階までは経過観察や血管拡張薬動脈注射で治癒することがあるが、筋層以上の全層壊死では腸管切除が必要となる。集中治療を要する重症患者においては常にこの疾患の存在を念頭におき、腸管壊死が疑われる場合には緊急開腹術を躊躇してはならない。
©Nankodo Co., Ltd., 2012