発行日 2011年12月1日
Published Date 2011/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2012155105
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78歳男。イレウスに保存的加療を行ったが、腹部症状が悪化し外科転科となった。左下腹部に圧痛、筋性防御反跳痛、著明な炎症所見および筋逸脱酵素の上昇を認めた。造影CTで小腸は、全体的に著明に拡張しイレウスの様相を呈し、一部小腸壁は造影不良で小腸壊死による急性汎発性腹膜炎と診断し、緊急試験開腹術を施行した。病理所見より、小腸粘膜は出血・壊死を呈し、粘膜層・粘膜下層はうっ血が著明であったが器質的閉塞は認めず、非閉塞性腸間膜虚血症(NOMI)と診断した。術直後からエンドトキシン吸着療法、持続的血液濾過透析(CHDF)を導入したが、術後第18病日に突然の腹痛が出現し、造影CTよりNOMIの再発による小腸穿孔と診断し、再開腹術を施行した。回腸末端に腸管壊死による小腸穿孔部位を認め、穿孔小腸および上行結腸を切除し、残存小腸は約50cmの短腸症候群となった。病理所見より、NOMIの再発による小腸穿孔と診断した。再手術後第16日の胃潰瘍からの大量出血に対し、内視鏡下緊急止血術を施行し、完治後に経腸栄養を開始した。
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