発行日 2011年12月1日
Published Date 2011/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2012155104
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50歳女。約4年前に前医で進行胃癌に対し胃全摘術、脾摘術、Rouxen-Y再建術を施行された。術後42ヵ月目に後腹膜再発から両側水腎症となり腎瘻を造設し、多剤併用の全身化学療法を行ったが、抗腫瘍効果が認められず当院に紹介となった。直腸診で硬い腫瘤を触知し、貧血、ALPとγ-GTPの高値およびSTNの上昇を認めた。腹部CTで食道空腸吻合部と大動脈周囲に軟部陰影を認めた。また、骨盤内は腫瘍浸潤から子宮と直腸の境界が不明瞭となり、周囲からの浸潤・圧排によると考えられる直腸の全周性狭窄を認めたため、Schnitzler転移と考えられた。上部消化管内視鏡では、食道空腸吻合部直下の再建挙上空腸に閉塞を認め、下部消化管内視鏡で肛門管から口側に発赤を伴った浮腫状粘膜と全周性狭窄を認めた。再建挙上空腸の癌性狭窄およびSchnitzler転移と診断し、self-expandable metallic stent(SEMS)留置術を施行した。留置により腸閉塞症状は消失しADLは保てたが、約5ヵ月後に死亡した。
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