発行日 2011年12月1日
Published Date 2011/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2012155106
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54歳男。イレウスの診断で入院した。臍周囲に圧痛を認めるが、反跳痛、筋性防御はなく、WBCの高値を認めた。CTで拡張した小腸と腹水を認め、イレウス管留置で保存的治療を行ったが、症状は改善しなかった。翌日のCTでは腹水の増加を認め、イレウス管挿入時の造影剤は回腸内に停滞し、右下腹部で閉塞が疑われた。小腸の絞扼性イレウスを疑い緊急手術を行った。索状物が腸間膜に癒着し、回盲部から約100cm口側回腸が閉塞していた。索状物を切離したところ、回盲部から約90cm口側回腸にMeckel憩室を認め、索状物がそこから発生しているのが確認できた。絞扼されていた腸管は正常な色調に回復したためMeckel憩室のみ切除した。Meckel憩室は4cm長で中央部から索状物が発生し壊死は認められなかった。病理所見よりMeckel憩室には一部胃粘膜と膵組織を、索状物には動静脈と神経を認め、憩室間膜血管帯(MVB)と診断した。
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