発行日 2011年10月1日
Published Date 2011/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2012123284
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73歳男。11年前に胃潰瘍で広範囲胃切除を行っていた。今回、嚥下困難で受診し、上部消化管内視鏡検査(GIF)で下部胸部食道に2型腫瘍性病変を認め、同部位生検で扁平上皮癌(SCC)と診断された。また、肝外側区域に転移性病変を認め、低用量FP療法を施行した。食道病変、肝転移巣は不明瞭化したが、腹部CTやGIF、さらに生検で残胃小彎部にSCCの腫瘍細胞が検出されたため、サルベージ手術目的に開腹手術となった。残胃全摘術およびRoux-en-Y吻合術、ドレーンを食道空腸吻合部右側、同吻合部左側に挿入した。第10病日にドレーンの抜去を試みるも困難であったため、皮膚のドレーン固定糸をはずし、シルキーテックスで低圧牽引をかけた状態で皮膚に固定したところ、第14病日に左側は抵抗なく抜去でき、右側も繰り返しの牽引で抜去可能になった。その後、低用量FP療法を追加施行したが、リンパ節の再発を認め、残胃全摘術後7ヵ月で原病死した。
©Nankodo Co., Ltd., 2011