発行日 2015年5月1日
Published Date 2015/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2015265084
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症例1(70歳男性)。4年前に舌癌(T4N0M0)に対し術前化学療法後根治術が施行された。今回、2年前に肺転移を認め著者らの施設へ紹介後、化学療法が行われたが末梢血管の確保が困難となり、埋め込み型中心静脈カテーテル造設が外科に依頼された。その際、超音波ガイド下にバードMRIポートキットを用いて右内頸静脈よりカテーテルを刺入、皮下トンネルを作成して上腕に注入ポートを留置したが、作成後約1年でポートより生理食塩水の注入により肩に疼痛を認めた。造影したところカテーテルの断裂を認め、更にポートとカテーテルを抜去し観察すると、鎖骨外線の3横指尾側にカテーテルの亀裂が確認された。以後、新たなポートを増設したが、患者は3ヵ月経過で原疾患のため死亡となった。症例2(43歳女性)。13年前に右乳癌(T3N0M0)に対し胸筋温存乳房切除術を施行、術後はホルモン療法が行われたが、8年前に左乳癌(T1bN0M0)を発症し乳房温存術が施行された。以後、遺残乳房への放射線照射後にホルモン療法を再開し、あわせて術後補助化学療法4コースが施行されたが、5年前に肺・左傍胸骨リンパ節・骨への転移を認め、著者らの施設へ紹介となった。対処として温熱療法をはじめ放射線療法と化学療法がおこなわれたが病勢は徐々に進行、末梢血管の確保が困難となり、埋め込み型中心静脈カテーテルが作成されたが、作成後第162病日目にカテーテルの断裂ほか、上腕骨頭の腹側で2ヵ所の亀裂を認め、藻X地下は新たなポートを作成して治療を継続中である。
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