発行日 2011年11月1日
Published Date 2011/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2012040613
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81歳男。盲腸部に1型の腫瘍を認め、大腸内視鏡検査の組織生検で高分化腺癌と診断された。腹腔鏡補助下回盲部切除術、D3郭清を行い、臍上に小切開をおき摘出した。5mmポート挿入部は皮膚閉鎖のみ行い、ドレーンは右側腹部の5mmポート挿入部よりソフトプリーツドレーンを留置し、術後2日目に抜去した。術後9日目に腹痛、嘔吐が出現し、右側腹部のドレーン抜去部に一致して手拳大の皮膚膨隆を認めた。X線では拡張したガス像と鏡面像、CTではドレーン抜去部皮下に脱出した小腸を認め、ポートサイトヘルニア嵌頓と診断し、緊急手術を施行した。脱出腸管はうっ血および浮腫を呈しているが壊死は認めず、腸管を還納し筋膜を縫合閉鎖した。手術後3日に経口摂取を開始し経過良好で退院した。
©Nankodo Co., Ltd., 2011