発行日 2010年9月1日
Published Date 2010/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2010292471
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29歳男。28歳時に腹腔鏡下胆嚢摘出術を受け、今回、上腹部痛を主訴に受診した。臍上の手術痕(トロカール刺入部)に一致して腫瘤と圧痛を認め、腹壁瘢痕ヘルニアの診断で入院となった。腹部CTで臍上に約3cmのヘルニア門と、脱出した腸管を認めた。これらの所見からトロカール刺入部のポートサイトヘルニアと診断し、手術を行った。臍上のトロカール刺入部創を頭側方向に延長し皮切とした。皮下組織を鈍的に剥離していくとヘルニア嚢があり、これを切開すると腹腔内へと到達した。ヘルニア嚢をヘルニア門に沿って切除するとヘルニア門は4cmであった。ヘルニア門には小腸が癒着しており、これを剥離し腹腔内へ還納した。ヘルニア門に対しては腹膜と筋膜を単純縫合閉鎖し、手術を終了した。術後経過は良好で、2ヵ月後の現在まで再発は認めていない。
©Nankodo Co., Ltd., 2010