発行日 2011年5月1日
Published Date 2011/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2011257494
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広範囲な梗塞壊死を来たした乳癌の2症例(70歳代)報告した。症例1は充実腺管癌と診断し乳房切除術と腋窩リンパ節郭清を行い、症例2は乳頭腺管癌と診断した。両例とも合併症として高血圧を有しており、症例2では動脈血栓症の既往があったことから、血管病変による梗塞壊死の可能性が高いと考えられたが、組織学的検査では明らかな血栓形成や血管炎等の血管病変を示唆する所見はなかった。症例1では疼痛を自覚しており、マンモグラフィや超音波では壊死を示唆する特徴的な所見は認めなかったが、MRIでは広範な無信号領域を認めており、病理学的に壊死が存在する部位にほぼ一致していた。症例2は細胞診や針生検で確定診断に至らず、切除生検を施行した。
©Nankodo Co., Ltd., 2011