発行日 2004年11月1日
Published Date 2004/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2005034225
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49歳女.既往として1歳時にvon Recklinghausen病(R病)と診断されていた.今回,増大する左乳房腫瘤を主訴に受診した.左乳房E領域を中心に,直径約10cm,弾性硬,表面凹凸不整,境界明瞭,可動性に乏しい腫瘤を認めた.各種画像検査,針生検で浸潤性乳管癌と診断し,左胸筋温存乳房切除術を行った.腫瘍は上皮性成分と非上皮性成分の性格を示す部分からなり,上皮性成分は充実腺管癌で,そこより連続性に存在する非上皮性成分は骨・軟骨を形成する肉腫様の像を呈していた.術後約11ヵ月で肺転移,局所再発により死亡した.R病は良性疾患であるが,悪性疾患合併例では多発性神経線維腫や色素斑が早期発見の妨げになることもあり,早期発見を考慮した注意深い観察が必要であると考えられた
©Nankodo Co., Ltd., 2004