発行日 2011年6月1日
Published Date 2011/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2011219014
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77歳女。1ヵ月前から右腰背部の膨隆を自覚し、増大するため受診した。右腰背部に弾性軟で鶏卵大の膨隆を認めたが、圧迫で容易に還納でき、CTで右腰背部に4×4cm大の腹壁欠損を認めた。同部から上行結腸が脱出し、右腰ヘルニアと診断した。腹腔鏡下の腰ヘルニア修復術を施行した。腹腔鏡観察下にバルーンを空気で膨らませ、腹膜を剥離して腹膜外腔を拡張した。バルーン抜去した後、同部に径10mmのトロカールを挿入し、炭酸ガスで腹膜外腔を8mmHgで加圧した。さらに腹膜外腔の頭側に径11mmおよび尾側に径5mmのトロカールを穿刺した。ヘルニア嚢を鈍的に剥離してヘルニア門を露出し、11×14cmのKugel Patch(KP)をステイプラーでヘルニア門周囲に固定した。術後の疼痛は軽量で鎮痛薬は使用せず、翌日から経口摂取を開始し、7日目に退院した。術後2ヵ月のCTで脱出した内容物は腹腔内に還納されていた。
©Nankodo Co., Ltd., 2011