発行日 2013年9月1日
Published Date 2013/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2013373073
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74歳女性。検診にて便潜血反応検査で陽性を指摘され近医を受診、大腸内視鏡で盲腸に隆起性病変を認めたほか、生検でMALTリンパ腫が疑われたため、著者ら施設へ受診となった。画像所見では虫垂部入口に長径3cmの隆起性病変および虫垂入口部を中心に粘膜下腫瘍とlymphoid cellの均一な増殖が認められた。また、回腸末端から虫垂部分には腸管壁の肥厚と造影増強が認められたが、リンパ腫大は明らかに認められなかった。以上、これらの所見により、盲腸原発MALTリンパ腫が疑われ、手術を施行したところ、病理組織学的所見にて粘膜から固有筋層にかけて反応性リンパ濾胞の周囲に胚中心のcentrocyteに類似した小型から中型の異型リンパ球がび漫性に増殖し、大腸の腺管内に浸潤、lymphoepithelial lesionを形成していた。このことから本症例は盲腸原発MALTリンパ腫と診断された。尚、リンパ節移転はなく、術後は経過良好で、目下、50ヵ月経過で再発徴候は認められていない。
©Nankodo Co., Ltd., 2013