発行日 2011年6月1日
Published Date 2011/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2011219012
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37歳男。3年前に腹壁腫瘤を自覚したが放置していた。その後、検診で胸部異常陰影を指摘され受診となった。右側腹部に腫瘤を触知し、CTで胆嚢床の内部に粗大な石灰化を含む腫瘤影を認め、MRIで右側腹部に内部不均一な低信号を示す腫瘤を認め、腫瘤は増大傾向で、肉腫の可能性も否定できないため手術適応と判断した。腹腔鏡で観察したところ、右側腹部に腹腔内に突出する約7cm大の腫瘤を認めた。右側腹部に斜切開を加えて露出した腫瘤は内腹斜筋、腹横筋および第9、10肋骨を巻き込んでいた。術中の良・悪性の鑑別が困難なため健常部を含めて腫瘤とともにen blocに切除し、欠損部はComposix Meshを胸腹壁内側にマットレス縫合して腹腔を再建した。病理所見より表面は線維性被膜で覆われ内部に軟骨細胞が散在し、中心部に骨化像を認め、骨軟骨腫と診断した。術後は経過良好で術後2年に再発および瘢痕ヘルニアは認めない。
©Nankodo Co., Ltd., 2011