発行日 2011年3月1日
Published Date 2011/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2011177983
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
67歳男。患者は腹痛を主訴とした。イレウスと診断されたが、CTで回盲部を先進部とする腸重積を認め、手術が行なわれた。腫瘤を含めて楔状回腸部分切除したところ、切除標本では回腸に径3cmの有茎性ポリープがみられ、病理組織学的所見では一部の粘膜は胃粘膜に類似していたが、胃底腺はみられず、幽門腺に類似する組織が認められた。また、固有筋層では多数の腺房細胞、導管細胞がみられ、ごく少量のLangerhans島が認められた。一方、固有筋層を超える潰瘍形成も認められたが悪性所見はなかった。以上より、有茎性ポリープは異所性膵組織・胃粘膜と確定診断され、術後は経過良好で、5年が経過するも再発徴候は認められていない。尚、異所性膵・胃粘膜を同時に伴う腫瘤による重積の報告はこれまでに認められない。
©Nankodo Co., Ltd., 2011