発行日 2011年3月1日
Published Date 2011/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2011177982
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症例1(70歳男性)。16年前に左腎癌のため腎臓摘出術を受けた。その後、脳転移、肺転移、腎腫瘍切除後の部位に局所再発を来した。胃内には再発腎腫瘍の浸潤による腫瘍の露出を認めたため経皮内視鏡的胃瘻造設術(PEG)は断念し、Ponskyカテーテルを用いた腹腔鏡下空腸瘻造設術(Lap-J)が施行された。そして1年間、経腸栄養のみで栄養管理を行なったところ、抗腫瘍療法により胃内の腫瘍がほぼ消失した後は経口摂取を開始、27ヵ月間にわたり良好な栄養状態とQOLを維持し、歩行可能にまで回復した。だが、腫瘍が再発し、最終的には死亡となった。症例2(29歳男性)。幼少時から先天性染色異常による脳性麻痺、口唇・口蓋裂を認め、7歳頃からは腎機能が低下し、腹膜透析が導入された。以後、2008年に誤嚥性肺炎となり、嚥下機能の著明な低下を認めた。そこで、PEGを試みたが胃の頭側への偏位により施行不能で、腹膜透析を血液透析に切り替えてLap-Jを施行後、腹膜透析を再開し、現在も良好なQOLを得ている。
©Nankodo Co., Ltd., 2011