特集 小児外科診療における合併症、偶発症-とっさの処置、その後の対応
再開腹を要した腸重積症術後の吻合部狭窄 腸管血行障害の術中判定と評価法に関する考察
長島 俊介
1
,
小梛 地洋
,
渡邉 隆太郎
,
山崎 信人
,
渡邊 峻
,
島田 秀平
,
酒井 正人
,
黒岩 実
1東邦大学医療センター大橋病院
キーワード:
壊死
,
回腸疾患
,
開腹術
,
虚血
,
血液循環
,
超音波診断
,
腸重積症
,
腹部X線診断
,
結腸疾患
,
小腸切除
,
腹部CT
,
吻合部狭窄
Keyword:
Blood Circulation
,
Ultrasonography
,
Intussusception
,
Ischemia
,
Laparotomy
,
Necrosis
,
Ileal Diseases
,
Colonic Diseases
,
Radiography, Abdominal
pp.260-265
発行日 2019年3月25日
Published Date 2019/3/25
DOI https://doi.org/10.24479/J00645.2019182061
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14歳男児で。反復する下腹部痛を主訴に当院の小児科を受診、胃腸炎の診断で帰宅となったが、嘔吐や腹痛の増強が出現し、今回、精査加療目的で入院となった。画像検査にて内ヘルニアを疑い、緊急開腹術を行ったところ、手術所見では回結腸型の腸重積が確認され、観血的整復後に壊死した回腸約100cmを切除し、終末回腸口側4cmの部分で端々吻合した。術後第12病日目に軽快退院となったが、退院3日目より腹痛が持続したため再入院となり、画像所見より吻合部狭窄とうっ滞性腸炎が疑われ、注腸造影では終末回腸の狭窄が判明した。更に大腸内視鏡では吻合部の全周性狭窄を認め、バルーン拡張術が施行されたが、拡張中に腸管破裂を生じ、緊急開腹術となった。手術所見で穿孔部位は狭窄部の口側に存在し、狭窄部位を含め異常所見を有する小腸50cmを合併切除した。再手術後1年8ヵ月経過現在、問題なく良好に経過している。
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