発行日 2011年3月1日
Published Date 2011/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2011177981
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59歳女。患者は2001年に胃癌に対し幽門側胃切除が施行されたが、術後経過中、検診で異常が指摘された。内視鏡では胸部食道に表面平滑な径10mmの0-Is型隆起製病変がみられ、同部の生検では上皮下に大小不同および形態不正な核を有する、胞体の狭い腫瘍細胞が充実性に発育している所見が認められ、免疫染色所見を含めて食道小細胞癌と診断された。治療として食道亜全摘、残胃全摘、2領域リンパ節郭清、後縦隔経路右側結腸再建術を施行したところ、病理組織学的所見では主腫瘍は粘膜下層を中心に膨張性に発育し、腫瘍細胞は小型で細胞質は乏しく、核はクロマチンに富み、類円形から紡錘形を呈していた。術後は経過順調にて化学療法が行われたが、grade 2の骨髄抑制と食思不振が認められ、1コースで中断となった。以後、患者は手術から12ヵ月目に多発肝・肺転移を認め、化学療法で対処するも26ヵ月目に死亡となった。
©Nankodo Co., Ltd., 2011