発行日 2010年12月1日
Published Date 2010/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2011084267
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60歳男。心窩部の違和感と間欠痛で入院し、吐気と伴に持続する激痛へ変化し、左上腹部に限局した圧痛と同部位に手拳大の腫瘤を触知した。腹部CTで腸間膜の巻き込みを伴う小腸塊を被包する嚢状陰影とその腹側に下腸間膜静脈の走行を認め、3D CT空気強調像で拡張腸管と集簇した小腸塊を認めた。上部消化管造影でTreitz靱帯より肛門側の腸管の狭窄像、左尿管と腸管に拡張像を認め、絞扼性イレウスと診断して手術を施行した。Treitz靱帯左側の傍十二指腸窩にヘルニア門を認め、肛門側の空腸が100cmにわたり陥入しており陥入腸管を用手的に整復した。腸管の血流障害や壊死・穿孔は認めず非切除としヘルニア門を単閉鎖した。術後4病日より経口摂取を開始し第8病日に合併症なく退院した。
©Nankodo Co., Ltd., 2010