症例
幼少期から繰り返す上腹部痛の既往があり急性腹症で来院した右傍十二指腸ヘルニアの14歳男児
及川 裕之
1
,
長田 枝利香
,
江原 和美
,
本田 尭
,
志村 和浩
,
荒木 耕生
,
津村 由紀
,
安藏 慎
,
番場 正博
1川崎市立川崎病院 小児科
キーワード:
開腹術
,
急性腹症
,
腹痛
,
嵌頓
,
ヘルニア縫合術
,
腹部CT
,
傍十二指腸ヘルニア
Keyword:
Abdomen, Acute
,
Laparotomy
,
Abdominal Pain
,
Herniorrhaphy
pp.307-309
発行日 2017年3月1日
Published Date 2017/3/1
DOI https://doi.org/10.18888/J00639.2017170135
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14歳男。強い上腹部痛を主訴とした。幼少期から繰り返す上腹部痛の既往があり、来院1ヵ月前からはほぼ毎日腹痛を認めた。受診時には上腹部から左下腹部にかけての圧痛、圧痛部位と一致した反跳痛、腸蠕動音亢進、筋性防御を認め、腹部造影CTでは右腎臓の前方に空腸の一部が一塊となり、その前方に上腸間膜動静脈の分枝が弧状に走行していた。内ヘルニア嵌頓と診断して緊急手術を行ったところ、十二指腸下行脚内側にトライツ靱帯尾側から回盲部頭側まで腹膜欠損部位があり、欠損部位より後腹膜腔に入り込む空腸を認めた。右傍十二指腸ヘルニアと診断して用手的に空腸を引き出したところ、陥入していた腸管に虚血はなく、腹膜欠損部位を閉鎖した。術後1年間に再発や腹痛は認めていない。
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