発行日 2010年12月1日
Published Date 2010/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2011084265
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26歳男。摂食障害があり、来院4時間前より多量に夕食を摂取し自己嘔吐ができず腹痛で入院した。CTで胃拡張により門脈・下大静脈が圧排され、伸展した上腸間膜動脈で十二指腸の水平脚も圧排され腸間膜静脈は描出不良で、肝臓も圧排され右葉の辺縁は造影不良であった。胃管挿入で内容物約1L吸収したが、入院後25時間に両下肢の冷感、麻痺に伴い血圧および意識レベルの低下を認め、急速上肢輸液後に緊急開腹術を施行した。著明に拡張し菲薄化した胃壁の漿膜面は血色不良で、胃体部前壁切開で約8Lの食物残渣を吸収し胃粘膜は黒色で壊死していたが穿孔は認めなかった。吸引操作中に心肺停止となり高カリウム血症と代謝性アシドーシスを認め、血清K・アシドーシス補正と強心薬投与をしながら開胸心マッサージを施行したが心拍の再開なく死亡した。
©Nankodo Co., Ltd., 2010