臨床経験
腸管虚血を併発した劇症型心筋炎
片平 晋太郎
1
,
秋山 正年
,
只野 恭教
,
細山 勝寛
,
正木 直樹
,
神田 桂輔
,
鈴木 智之
,
河津 聡
,
熊谷 紀一郎
,
安達 理
,
川本 俊輔
,
齋木 佳克
1東北大学 心臓血管外科
キーワード:
回腸疾患
,
虚血
,
大腸疾患
,
再発
,
心筋炎
,
心臓補助機器
,
腸穿孔
,
致死的転帰
,
小腸切除
,
剖検
,
大腸切除
Keyword:
Ileal Diseases
,
Heart-Assist Devices
,
Intestinal Perforation
,
Ischemia
,
Myocarditis
,
Recurrence
,
Fatal Outcome
pp.178-183
発行日 2015年3月1日
Published Date 2015/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2015199759
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
症例1は50歳代の男性で、息切れを主訴に、前医にて心不全の診断で入院加療となったが、経過中に劇症型心筋炎を発症し、第8病日に当院転院となった。転院後、緊急で体外式遠心ポンプによる両心補助人工心臓(BiVAD)を装着したが、循環補助開始後3日目に両室補助流量が低下し、循環不全となり死亡した。病理解剖では全大腸壊死が認められた。症例2は50歳代の女性で、発熱・息切れを主訴に、近医にて急性冠症候群の疑いで入院となった。入院後、CAGにて急性心筋炎と診断され、IABP挿入により循環動態は安定したが、第5病日に心室細動が出現し、心肺蘇生後にPCPSを装着するも循環動態の改善が得られず、第6病日に当院転院となった。転院日に緊急でBiVAD装着術を行い、心機能は改善したが、術後18病日に腹膜刺激症状が出現し、CTにて腸管穿孔を認め、緊急開腹下に右結腸・回腸部分切除術、人工肛門造設術を行った。腸管切除後に循環動態は安定したが、第93病日に再び小腸穿孔、消化管出血を生じ、IVRによる止血術を行うも第117病日に腹膜炎からの敗血症で死亡した。
©Nankodo Co., Ltd., 2015