発行日 2009年12月1日
Published Date 2009/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2010055257
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61歳男。3型食道扁平上皮癌に対し低用量FP療法と短冊型で根治的化学放射線療法(dCRT)を行った。リンパ節は完全寛解となったが、dCRT終了2ヵ月後にPET-CTにて腫瘍遺残を認めたため、weekly docetaxel療法を行った。効果がないためdCRT終了4ヵ月後に右開胸・開腹しサルベージ食道切除を行った。術後8ヵ月時に左肩痛と微熱が出現し、血液検査、胸部単純X線、PET-CT各所見より、腹腔内膿瘍または腫瘍再発を疑った。サルベージ手術後9ヵ月に開腹手術を行い、肝外側区域と左横隔膜に接して膿瘍を認め、膿瘍壁に壊死組織を認めた。可及的に壊死組織の除去を行い、病理組織学的に食道癌再発と診断した。術後24日に両肩痛、胸部痛が出現したためCT検査を行い、側胸水と腹腔内から後縦隔、心嚢内にかかる不整な陰影を認め、遺残腫瘍増大と診断した。以後、急速に全身状態が悪化し、術後41日目、サルベージ手術後9ヵ月で死亡した。
©Nankodo Co., Ltd., 2009